(前記事より)
2024年10月末。
朝から小雨のぱらつく、秋の日の昼下がり。
フェムさんチームの門脇みのり、卯月ゆいと、大阪市内某所にて対談収録をおこなわせていただきました。
対談と申しましても、やはり運営サイドからの相談や意見なども交えてほしかったので、正しくは「鼎談(ていだん・3人で話すこと)」とさせていただいております。
今まで取り上げることができなかった少しセンシティブなお話、レズビアン風俗店に所属する1キャストとしての考え方など。
数回に分け、皆様にお届けさせていただきたいと思います。
捉え方、考え方は人それぞれではありますが、
「ふ~ん…微糖の人はこんな風に感じたり思ったりしてるのか~」
程度の、軽~いお気持ちで。
ふんわりとお読みいただけますと、幸いにございます。
第1回はこちらから
第2回はこちらから
~第2回からの続き
ねこ:前に猫砂糖垢で呟いたことがあるんですけどね。
SNS全般なんだか疲れてしまいません?
必要のないものまで強制的に押し付けられちゃう感じで。
上手に遣えてて平気な方も多いと思うけど、私は下手くそなのでアプリを開いていい時間にルールを設定しました。
みのり:私も同じくキャストになるまで殆どSNSに触れることがなかったので…。
時間が空いたら直ぐなにか返信だったり発信だったりしなくっちゃ!だったけど、最近では長くキャストとして楽しく活動していく為に…程よい距離感を心掛けるようになりましたね。
ねこ:あとはTwitterなんかで他店さんの動向を知ると、自分がこうしたいと思うものがブレてきたりもするので。
極力見ないようにしているのですが、それでもユーザーさん達の日々のポストだけはどうしても目に留まっちゃうんですよね。
中でも、やっぱり多いなぁって改めて思ったのが「虚しくなった」や「お金を払わないと誰かに触れてもらえないのかな…」的なしんどい感情で。
もっとこう…なんかカラッと!
みんなが「楽しかったー!」だけ摂取できるようにするには、なにを気を付けていけばいいと思いますか?
ゆい:SNSって素早くリアルな情報を知れていい面もあるけど、個人の使い方次第なとこがありますもんね。
それと同じで女性の風俗利用にも、いい面と注意しておかないといけないことがあると思うんです。
「虚しくなる…」とネガティブになってしまう感情っていうのも、物事をどう捉えるかという一種の「思考癖」ですし。
周りがいくら言葉にして伝えたとしても、そういう風に思ってしまうとこから抜け出せない方って少なからずいらっしゃるのかもしれません。
みのり:私はなんで自分が利用したいと思ったのかとか、そういう目的をはっきりさせてからじゃないと気持ち良くお金を遣えないから…。
そこの目的?なにをしたいのか、女性と触れ合いたいのか、何か悩みを聞いてほしいと思っていたのか、とか。
そこをはっきり自問してからだったらちゃんと満足できるかなぁ~…って。
ねこ:んん~。
そういえば「ご利用前に自問してから」と似たようなニュアンスで…オープン仕立ての頃「裸で触れ合うことの副作用」という記事を書きました。
メンタル落ち気味な時に何も考えず利用すると、往々にして副作用的なものに襲われてしまうからね~…みんなは大丈夫~?的な内容で。
ゆい:それは…例えばどんな副作用ですか?
ねこ:スッキリしたくともできない、ザラザラ~としたものだと思います。
解散した後に寂しく感じたり、少し虚しくなっちゃったり…。
一旦しっかり現実に戻る間もなく、また次回会うのはいつにしよう?とスケジュールとにらめっこを始めたり…とか?
ゆい:それはなんか…風俗を使ったからそうなってしまったということではなくて、元々のメンタルがそういう状態だと…という話なんですよね。
すがるみたいな?感情なのでしょうか。
ねこ:すがるという言葉が当てはまるのかは分かりませんが…直ぐにまた会いたいな、となることも悪いことではないと思うんですよ。
だけどそういう自分を、もう一人の自分が「おいおい今はそういうことに時間とお金遣っちゃうわけ?」と半笑いで見ていてくれるなら、の話であって。
少し引いたところから自分を見てる「傍観者」って大事ですよね。
みのり:やっぱりレズ風俗を利用する時にネガティブな気持ちが大きかったり、自分が支払う金額に対して…価値を感じられないというか…?
高すぎる?と思ってしまう時は利用は控えた方がいいんじゃないかなと思ったりはしますね。
ゆい&ねこ:なるほど~…
ねこ:…え、でも高いは大半の人が思ってないかな?
永遠のテーマだけど…高いもん!!
ゆい:笑笑。確かに。高いですね。
みのり:そっか高い高い。確かに…笑。
ゆい:でもそういった金額の面だけみても、皆さんお仕事とかされながら貯めたお金で会いに来てくださってるんだな…って。
改めて、普段いろいろ社会で頑張ってるんだろうな…って想像しますよね。
そんな中、自分のしたいと思うことに思い切ったお金を遣えることになんか…尊敬してしまう感じです。
だからなんでほんとにこんな風に思っちゃうんだろう…っていうのが…なんか…。
みのり:なんかもうちょっと自分の選択をポジティブに捉えれたら、リラックスして楽しめるのにな…と思いますよね。
楽しい部分だけ上手に摂取できたらいいのになって。
せっかく大切なお金を遣って過ごしてもらうわけだから…。
そんな風に思っちゃったら、それこそ勿体ないというか。
ゆい:うん、ほんとーーにもったいない~。
みのり:楽しかった―――!だけ残るのがベストな過ごし方だと思うから、例えば借金してまでとか、そういう遣い方をしたら当然虚しくなるだろうし。
ほんとに余剰資金からというか…なんというか。
ゆい:交際費の遣える範囲じゃないと…ね。
ねこ:うんうん。でもね。
例えば生活には特に困ってなくて。
服の1枚も買いたければいつでも買える状況にあって。
だけど、だーけーど。
風俗遊びに5万円も使ってしまったよ…って後から思ってしまう気持ち。
そんな風に思わなくてもいいよ~楽しかったならいいじゃない~っていくら言われたところで思うんです!!みたいな…。だって人間なので笑。
そういう後付け感情はやめられた方がいいと思うんですが、それでもザラ~っと心に残ってしまったらどうしたらよいのでしょう?
ゆい:わ~難しい…でもそこはより現実的に。
サービスを買う遊びの世界なのですよって、はっきりと認識してもらった方が逆に優しいのかもしれませんよね。
初対面の相手と裸になる上では、そして安全にプレイを楽しんでいただく上では、やはりこのくらいの金額が必要になるんですよ…って。
ねこ:なるほど~。そういう現実をしっかり落としこんでおくって大事だと思います!
ご利用にあたって、今一度しっかり理解しておいてほしいこと一覧とか…作ろうかな?笑
あなたはこれ大丈夫ですか?的な。
ゆい:なんかありますよね。
ゲームとかでも、始める前に注意喚起が表示されたりとか。
ワーニングメッセージ…。
鬱っぽくなってしまうような描写がきついものとかだと、このゲームは精神的に○○な症状を誘発する可能性があります~あなたは大丈夫ですか?みたいな…。
みのり&ねこ:あるある~~。
ゆい:でもでもっ。
やっぱりレズ風俗にはいらないかなって。
本来は楽しくなってもらう為の場所なのだから…そこまで…利用前からいっぱい深く考えたり構えたりはしてほしくないですもんね。
こういうのってほんとに…女性特有な悩みなんだと思うけど…。
みのり:ポイントをまとめると…。
なぜ利用してみようと思ったのか初めの気持ちをしっかりと覚えておく。
高揚しちゃう自分を感じた時は「横で傍観してるもう1人の自分はちゃんといる?」としっかり確認をする。
もったいないことしちゃった…ってもし考えてしまうようなら一旦お休みする、でしょうか?
ねこ:おー。おまとめ上手~。
そうですね。
自分は依存体質かもしれないと自覚がある方は特に、楽しく遊ぶ為にその2つは常に意識していてほしいですね。
ねこ:あと前にキャスでいただいていたご質問で、改めて聞いてみたいことがあって。
「キャストも嬉しくなったり悲しくなったりすることはあると思いますが、それはどういう時ですか?」
これを本心で教えてくださ~い♪
ゆい:嬉しいことってすぐに思いつくけど…悲しいことって…なんだろう…笑
私は、どちらかというと悲しい方が知りたいかも。
みのり:私は振り返ってみるとご案内を始めたばかりの、右も左もわからない漠然と不安な時期が悲しかったというか…しんどかった。辛かったです。
本当に満足してもらえるのかな?っていう不安?経験値が低かったから。
この自分のなんだろ…力量というか不安が…あ、でも悲しいとはやっぱり違うのかな。
ゆい:そこに不安や緊張を感じてなくて、わくわく楽しい!だけだったら、それはそれで別の問題があるような気もしますけどね。笑
悲しいというか、ぐっと我慢だ我慢…ちゃんと笑え自分!と必死に唱えた話でいうと…。
やっぱりお客様から予期せぬ時に「今までありがとう今日で会うのは最後にするね」と言われたことかな。
ポジティブな理由で決められたことだから、私は最後の瞬間までちゃんと笑顔で送り出せるようにしなくちゃって…。
でも前からわかってたらちゃんと心づもりもできてたと思うけど、その時は突然だったので…口をへの字にして笑ってたと思います。
今から考えると絶対変な顔だったと思うし…ほんとに未熟者でした笑。
みのり:よく「告白されたら関係が終わってしまうから悲しい」とかも聞くじゃないですか?
やっぱり疑似恋愛はできても、ほんとの意味で恋人には絶対なることができない関係だから、そこの線引きを超えて何かを求められてしまうと…。
今はそういうことはないけど、もし今後あったら辛いかなとは思いますね。
ゆい:確かに。今までそういう経験私はないけど悲しいと思う…。
ねこ:うん。でもまぁ…。
また「だって人間だから」とか言っちゃうけど…笑。
誰だって頭ではわかってても惹かれる気持ちを止められないことってあるじゃないですか。
そういう……う~ん……
運営側がこんなこと公表していいのか…叱られるかもしれないけど。
好きになった気持ちをただ抱えていることが本当に辛いなら、いっそのこと告白しちゃえよー!とも思うんですよね。
ゆい&みのり:わわわわ…そうなんですか?
ねこ:はい。例えば…仲良くしてる内に「これってほんとの好き?なんかしんどい…」になってしまったとして。
その時に自ら距離を置くことができるならそれは理想なのかもしれないけど、すぐ近くに、会おうと思えば会える距離にいるわけだから。
どうしようもない…そういう気持ち諸々を全部吐き出して、キャストの口から「好きになってくれてありがとう」「でもこういう理由で気持ちには応えられないんだよ、ごめんね。」までをきちんと聞くことができればいいなって。
あ、もちろん目を見合って話せる場であることが大前提ですよ?
その後どんな風に捉えて落としこんでいくかは個人差があると思うけど、例えば少し時間を置いて「そうだよね少し距離感おかしくなってたし、これからは初めて会った日みたいに楽しい気分転換だけを求めよう!」となることが仮にもしあれば、我々もそんな嬉しいことはないですし。
みのり:そうですよね。
そういう風に思ってもらえたら本当に嬉しいですよね。
ねこ:気持ちには応えられないんですと断られても、きっと時間と共に「好きになってくれてありがとう」と、相手が真っ直ぐ向き合ってくれた事実は優しくどこかへ納まってくれるだろうから。
微糖をオープンさせてお客様から辛かった過去のご経験をいっぱい聞かせてもらいましたが、気を緩めて近付き過ぎてしまったばかりに「迷惑な人」「やばい人」的な態度をあからさまにとられたり、ましてや酷い言葉を投げつけられたりした過去に長く苦しまれている方もいらっしゃったので。
あ、もちろんレズ風俗の話だけに限らず、男性セラピストさんのお店でも往々にしてあった話です。
だから本気になったら!告白したら!ジ・エンド!今までの関係はおしまい!もう2度と会うことはできません!ではなくて。
仮におしまいにするにしても、それを選ぶのは他でもない「あなた自身」であってほしいなぁって。
ゆい:風俗ではあるけど、人の心にも触れるお仕事ではあるから、キャスト側もそういう時どうあるべきかをしっかり考えておかないといけないですよね。
誰かを好きになる気持ちってきっと人間の一番柔らかくて綺麗な場所だと思うから…。
そこを他人が安易に傷つけるようなことだけは…ちょっとほんとに私も腹が立っちゃいますし…いやですね。
ねこ:もちろんご利用を再開されて、また「本気で好き好き」されるようだとキャストも困ってしまいますが…。
きっと皆さん、そんな浅くもなければ、軽いお考えでもないはずなので。
好きだなぁって思う気持ちに蓋をしたりせず、万に一つ感情のバグが起きてしまった時にはキャストと一緒にゆっくり気持ちを整理して…クールダウン?していってほしいなと思います。
あなたが異常なわけではないし、困った人でも面倒くさい人でもなくて。
男性と違って、今までスナックすら利用したことのない方が殆どだろうから「ちやほや接待サービスへの耐性」だって低いわけですよ。
故に当たり前に誰にでも起こりうる感情であります~…。
ゆい:え…もしそこでね…成立しちゃったらどうするんですか?
みのり&ねこ:えーーー笑笑
ねこ:んんんー。そうなったらもう…お2人で仲良く卒業していただいて…とかですかね。
恋人が他の誰かのご案内をしてるとか…ただ辛いだけだろうし……
何よりこそこそそんな付き合いをしてるようなキャストに、他のお客様だって会いたくないと思いますし…
って!!
大真面目に答えちゃったじゃないですか!笑
ゆい:あはは。でもそうなる可能性だってないことはないですもんね…?笑
ねこ:笑笑
もちろん~人間同士の話なので0とは言いませんが…可能性は限りなく0に近いですと言わせておいてください~。
みのり:魅力的なお客様がほんとに多いですから…ね。笑笑
ゆい:私はユーザーとして利用した経験はないけど、好みのキャストを見つけて、いつも優しくされてキスもいっぱいしてくれて…だったら好きになっちゃうと思うんですよね。だから好きになってしまうってそんなに特別なことでもないかもしれないし。
ねこ:うんうん。
だけどそこで独占欲とかが出てきたらね、ちょっとダウンタイムを取るべきですよね。
あなたにとってプラスに作用してくれる感情ではないと思うので…。
みのり:お客様に前に言われたことあります。
もちろん笑いながらですけど「そうやって好きになられるようなことしてるわけだから無理よっ」って。笑
ゆい:あはは。でもだからこそそういう「すきすき~」っていう気持ちも楽しく捉えて、お会いさせていただいてる間は目一杯楽しくいちゃいちゃしたいですよね!
恋人のような距離感になることだってキャスト側に誤解されるかも…!なんて全然考えなくていいし。
「すきすき~」って口に出して言われることも嬉しいし。
仮に本気で好きかも!?と思ったとしても、日常生活の中ではだらしなかったり、嘘つきだったり、お金遣いが荒かったり、浮気したり…到底お付き合いができるような相手とも限らないじゃないですか。
ねこ:わ~くせが強い!笑
でもほんとにそうで。
本気で好きになって辛い思いをされた経験のある方もいらっしゃれば…。
時間内はどっぷり甘々に過ごしたいけど現実問題こっちはこっちの生活があるから、微塵も恋人になってほしいなんて思ってないのに変に警戒しないでほしいんですけどね~。
やりずらいったらありゃしないっ、みんながみんな本気で惚れてくるとか思わないでほしいわプンスコッ!!な方も必ずいらっしゃると思うので。笑
ゆい:キャストも調子乗るなよ~勘違いするなよ~!ってことですね!笑
そういえば前に、面倒な連絡をしなくてもいいし、相手の一挙手一投足に惑わされたりとかも気にしなくていいし、ほんとうに楽しい部分だけ楽しませてもらってるよーとお客様に伝えてもらったことがあります。
こういう考え方でみんないてくれたら、楽しいだけを上手く摂取することができるのかな~なんて。
みのり:そうですよね。
いちゃいちゃ甘々いっぱいしたいけど、もしその中で「なにこの違和感…しんどい」ってなった時は2人で一緒に考えましょう!
場合によってはお休みを提案するかもしれないけど、でもその先で…私はいつでもここで待ってるから、あなたが自由に選んでくれていいんだからね…って伝えたいし。
そんな機会をいただけるならほんとに…嬉しいですね。
ゆい:せっかくご縁あって出会ったんですもんね。
だから背中合わせでそれぞれの道を歩き出す時は「次のステージに移動しよう!」って。
あなた、もしくは、キャストが決めた時だけっ♪
それがいいですっ。
~ひとまずこれにて【完】
最後までお読みいただきありがとうございました。
【次回おまけ予告】
卒業から数年経っても当時のことや、
お客様のことを思い出したりする?
卯月ゆいに聞いてみた!の巻!